amazarashiの新しいアルバム「永遠市」が
出て、早二週間。
新しいアルバムの中に、これは…もしや…?
という発見の歌がありましたので、
今回は「君はまだ夏を知らない」の歌詞について
考察・解説をしていこうかと思います!
僕の見方ですが、もしかしたら新たな発見になるかもしれませんので、
良ければ最後までご覧ください。
amazarashi Live Tour 2022「ロストボーイズ」 (Blu-ray)
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Contents
アルバム・タイトル名について
まず、アルバムやタイトルを聴いた
イメージなどを書いていきます。
今回のアルバムは僕の印象ですが、
夏・宇宙といったテーマの曲が多い
印象を受けました。
音楽のテイストや歌詞、その両方から
イメージされるものが夏・宇宙が多かったですね。
宇宙はアルバム名の「永遠市」も宇宙から帰還した地球の時間から
おくれた人が住む架空の市を指しているので、
テーマになるのも頷けます。
夏というと、何だかんだamazarashiは夏を
テーマにした曲が多いと思うのですが、
もしかしたら秋田氏は夏が嫌いなのかも…?
もしくは日本のじめっとした夏が鬱屈した気持ちや
心の葛藤に似ているからなのかもしれませんね。
amazarashiの曲で夏といえば...?
そして、amazarashiの曲で夏といえば、
第一に思い出されるのは「夏を待っていました」
ではないでしょうか?
「夏を待っていました」自体は
夏の曲ではなく、夏に入る前の曲なので、
夏の曲ではないのですが、タイトルや歌詞に入っているため、
夏の印象が結構強いです。
僕の勝手なイメージですが、「夏を待っていました」というタイトルだけだと、
夏が来るのが楽しみだなあ!ウキウキ!
みたいな歌かなあとタイトルだけ見ると思ってしまっていたのですが
中の歌詞はそんな明るい歌詞では全くありません。笑
そのため、この曲のタイトルを見た時には
夏を待っていましたの中の僕が成長してからの
暗めの歌かと思ったのですが、
最初の始まりの音楽からそんな印象は受けず、
曲の始まりから波打ち際の
波の往来のような優しい音楽から入り、
終始穏やかな曲だなあと思いました。
それでは本題の歌詞の中身に入っていきます!
歌詞の考察、解説について
七月の風は人見知りしない
車の窓から手を伸ばして握手をする
七月というと、本格的に季節が夏に入るぐらいでしょうかね。
近年は5月途中から既に暑い気がするので、いつからが
はっきりとした夏かは分かりにくい感じがしますが。笑
新しく来たばかりだから、まだ七月の風も幼い?
だから、人見知りをしないということを
歌っているのでしょうか。
それとも、日本の夏は湿気が多く、
ベタつくため、人懐っこい…みたいなイメージなんでしょうか。
車の窓から手を出す、子どもの頃のなら誰しもがやったことのある
経験ではないでしょうか。
風を切るその感触や進んでいくことを感じるためにしていたのかなあ。
今となってはしなくなった行動ですね。
そんな幼さや純真さを表現している歌詞なのかなあと感じます。
思い悩みは綺麗さっぱり捨ててしまいたい
嫌味を言うほど人生は長くはない
先ほどとは打って変わって大人な内容の歌詞です。
書きながら思いましたが、僕は登場人物は2人いるかと思っていましたが、
運転手が手を出して、風を感じながらも
思い悩んでいる可能性もある描写ですね。
ですが、この後に「君」が出てくるので、
手を出している人物と運転手は別の人物なのでは
ないかなあと思います。
マイナスなことにばかり囚われていると
時間はあっという間に過ぎてしまうぞ、
自分自身を嗜めている表現に感じます。
優しい奴と強い奴は 決して決して矛盾しない
そんな事より海が見えたよ 夏が終わってしまう前に
どちらも生きていく上で大切な要素で
どちらか一方しか持ちえないわけではないよ。
両方持ってない人もいるし、片方しか持たない人もいる、
でも、両方持っている奴もいるんだ、不公平だけどね。
そんなことを歌っているように聞こえます。
諦めにも似ていながらそれでいて、
両方を絶対持てなくてもしょうがないことなんだと、
うまく折り合いをつけているようにも見えます。
そんな風に思い悩んでいるより、
同乗者との時間を大事にしよう、
今過ごしているこの時を大切にしよう、
そんなことを歌っているんでしょう。
この曲は誰を見ながら歌っている歌なのか、それは…
永遠に続ような夜を見たのか 繰り返す波に途方に暮れたのか
君が見るもの全ての傍らに 悲しいと美しいが佇んで
ここで僕はこの歌の根幹、2人の登場人物の関係性は
これなのではないか?!というものがあります。
この2人の関係性、それは…
親子
なのではないでしょうか。
うん、まあそうなんじゃない?
と思われても仕方ありません。笑
この後の歌詞で君はまだ夏を七つしか知らない、
とも出てくるので、順当に考えたら
7歳の子を見ながら歌っていると考えるのが
普通でしょう。笑
ですが、amazarashiの歌で親子の描写が出てくる歌はあっても、
子が自分で親への思いや祖先への思いを描写されることはありますが、
親が自分で描写される歌はなかったのではないでしょうか。
(あったらとても恥ずかしいのですが…)
大体は同世代に向けての歌や恋人・友人の
描写がある歌が多いように思います。
そういった点から言うと、この曲はとても
珍しい立場での歌だと僕は思います。
永遠に続く夜、うまくいかない人生でしょうか。
それとも自分がもう長くは生きられないことを悟っているのでしょうか。
終わりのない波の繰り返しに終わりを見てしまっている描写かと思います。
悲しいと美しいが存在するのは、
きっと君が見る全てのものを、僕もずっと一緒にこれから見ることはできない。
また、君が出会う悲しみから全て守ってやることもできない。
でも、一緒に過ごせているこの時間・関わりの刹那さが
何物にも変えがたく美しく貴重なんだ。
そんな親の心情を歌っているのかもしません。
泣かせた夜を恨んだとて 躓いた小石を罵るとて
自分自身はどうか憎まないで だって君はまだ夏を知らない
たった七つしか
躓いた小石は実際の小石ではなく、
生きていく上でうまく合わない人たちを指しているかと思います。
何かを恨んでも、誰かを罵っても、自分自身を否定しないでね、
まだまだ人生は長いんだ、夏を七回しか経験していないんだから、
自分を否定してしまうかもしれないけど、
きっと悪くない自分もいるはずだよ、これから見つけていこうね、
そんなことを言ってくれているのかなと思います。
最初に聞いた時には、もしかしたら病院で
入院生活を何年も過ごしてきた人が
ようやく退院し、夏を経験したのかとも思いましたが、
後の描写でそうではなさそうかなと思いました。
辛いことは全部話して
なんて言われても気恥ずかしいから口ごもった
子どもの口から言われたのかなあ?
これはなかなか”ませた”発言だけれど、
家庭環境だったり、ドラマだったりで
思わぬ言葉を耳にすることもあります。
特に女の子はませた発言をするイメージが強いです。笑
このせいで、僕にはこの歌は
父と娘の歌に聴こえています。
親子だから色んなことを話すかもしれませんが、
子どもに辛いことを話すのは確かに気後れしそうです。笑
また、子どもから「辛いことは全部話して」
なんて言われた日には泣いてしまうかもしれません。笑
そんな風に思わせてしまったのか、
こんなに優しい子に育ってくれたのか、
色んな気持ちが錯綜して、泣いてしまうかも。笑
日焼けの跡は誇らしげに何かの証
だけど冬には消えてしまうこと僕は知ってる
日焼けをするってことは、外でたくさん遊んでいる証拠。
人にもよると思いますが、年齢が上がるにつれて、
徐々に外で遊ぶことは少なくなっていくかと思います。
季節で表現していますが、ここは幼いこの子も
日焼け跡がつかないままの夏を過ごすようになり、
徐々に成長していくんだ、そんな感慨を感じているのかも。
正直者と利口な奴は 決して決して矛盾しない
そんな事より明日どこに行く 夏が終わってしまう前に
正直者はバカをみる、利口な奴はずる賢い。
必ずしもそうではない、どちらも持ち合わせる人はいるよ。
1番と同じようなことを言いたいのかな、と思います。
ふと、一気に学年が増えた中学生時代を思い出しました。
僕は比較的真面目で勤勉(当時は)でした。
ただ、運動神経が良いとはお世辞にも言えないし、
かっこよくもなかった。笑
そんな中、勉強も出来る、運動も出来る、
ちょっとしたおふざけも出来る、なおかつカッコいい。
そんな同級生の存在に、何かきっとこいつには裏がある…!
(性格が悪いとか、悪いことしてるはず)
じゃないと、世の中不公平だ!なんて考えていました。笑
3年生の時、その子とクラスが一緒になると、
そんな風に考えていた自分が恥ずかしくなるほどに、
気さくで思いやりがあり、なおかつ勉強も運動も出来る
パーフェクトな存在だと友達として接して
身に沁みるほど分かりました。
(僕が知らないだけで嫌な部分はあるかもしれませんが笑)
そんな経験があるので、この歌詞は
「そうだよなー、不公平だけどそういうやつもいるんだもんなー」
と至極納得してしまいました。笑
星座の明かりに孤独を見たのか ヒグラシの死骸に命を見たのか
君が見るもの全ての傍らに 儚いと永遠が佇んで
正確には永遠ではないですが、永遠にも等しいほど
昔から届く星座の明かりは繋がって星座になるけど
星たちが繋がることはないこと、
人からするとあっという間に見えるヒグラシの命、
風景描写でここまで時の流れや正反対の性質のものを
感じさせる歌詞がすごく綺麗です。
下らない嘘に騙されたとて 薄汚れた欺瞞に憤るとて
自分自身にどうか失望しないで だって君はまだ夏を知らない
たった七つしか
七つだと嘘を見破る力や騙されても水に流すことは
なかなか難しいでしょう。
もしかしたら、大人でも難しいと思いますが。笑
嘘や欺瞞も自分の糧にしてしまって
変化や情報がたくさんあるこれからの世界、
力強く生きていって欲しい、
そんな風に思っているのではないでしょうか。
君の世界を通して
掌の上の小さいスノードーム 僕から見れば 君の世界は
ここからの表現で幼い我が子(娘)へ向けた歌なのではないかと感じました。
ここはamazarashiあるあるの倒置法的な文章表現ですかね。
順番に並べると、
僕から見たら君が生きている世界は小さいスノードームみたい
こんな感じでしょうか。
スノードームというと、ガラスに囲われて、
綺麗なもの、というイメージがあります。
つまり、まだまだ汚れたものを知らない、
囲われた世界で本当に世界と繋がっているわけではない。
そんな表現になっているかと思います。
だけどそこには僕が知らない 透明で泥だらけな季節がある
ここはちょっと解釈が難しいですね。
“僕”が捉えている”君”が住んでいる綺麗なだけの世界ではなく、
“君”なりに綺麗なだけ”ではない”機会に出くわしていた、
そんな表現なのでしょうか。
でも、透明だからこそ外からも見える、
“僕”も知ることができるそんな感じなのかなあ?
子どもには子どもなりに悔しいと思うことや
恥ずかしい、憎らしいと思うことがあるはずです。
大人になったら忘れてしまっているけど。
子どもは綺麗な世界で生きている、
そんな思い違いをしないように
釘を刺してくれているのかと思います。
教えてくれよ 綺麗なもの 木の根に埋めた宝物とか
恐ろしい事 恥ずかしい事 僕がとっくに忘れたこと
子どもの頃に大切に思っていた綺麗なもの、
それは大人からすると忘れてしまうようなものかもしれません。
恐ろしいこと、恥ずかしいことも回数を重ねたり、
自分の中で当たり前になってしまうと
恐ろしくも、恥ずかしくもなくなってしまうのではないでしょうか。
“僕”は”君”を通して、純粋な気持ち、世界への向き合い方を
見直そう・振り返ろうとしているのではないでしょうか。
なので、僕はこの部分の歌詞が特に好きです。
君の横顔に過去を見たのだ その痛みには身に覚えがあるのだ
君のその全ての一挙手一投足に 思い出と未来が同居して
君の横顔に過去を見た、自分の面影が少なからず
あるからではないでしょうか。
痛みは実際のものではなく、
過去の思い出から想起されるものでしょうか。
もしくは、一つ前のサビでヒグラシの亡骸を見て
"君"が命がなくなる悲しさを感じていて、
“僕”は慣れてしまっていたけど、
それを思い出したのか。
色々可能性はありますね。
今、君がする行動一つ一つが
これから僕の思い出となり、
これからの君の未来となり、
形作っていく、そんな表現でしょうか。
ライブで聴いていた時は
ここでグッときてしまいました。
君の真夏の出演者になって 世界の景色が変わる海辺
季節が留まり永遠ならいいな だって僕はまだ夏を知らない
たった七つしか
“僕”の出演者としてでは変わらなくても、
“君”の出演者になると世界が変わるように
海は色付けてくれる。
“君”の世界を通して、”僕”の世界も綺麗に見える。
人が生きていくには人に出逢わないといけない。
自分だけでなく、他の人と同じ時を過ごして
生きていこう。
そして、"君"と過ごす時を
叶わないと分かっているけど、
永遠にともに過ごしたい。
そんなことを歌った歌なのかもしれません。
僕は君との夏を知らない
たった七つしか
これはこれからの夏、
君と過ごしていく季節をまだまだ
知ることができる。
"僕"が過ごしてきた夏はたくさん知っているけど、
君と過ごす夏はまだ七つしか
知らないと感じるほどに
見違えているのだから。
そんな希望を持った
終わりかと思います。
まとめ:全体を通して(ライブについて記述あり)
僕が思うに、僕(親)が君(娘)を
想った歌を夏の描写にのせた綺麗な歌に感じました。
もしかしたら、秋田氏が実際に自分の子に
向けて「想ったもの」なんではないでしょうか…?
ライブで歌ってくれた時には、
バックで流れる映像に、子どもが書いた絵日記みたいな
表現もあったので、おそらく親子の歌というのは
間違ってないんじゃないかなと思います。
すんごく優しい歌なので、聞いていて
ジーンと沁みてくる歌です。
僕もこんな風に大きな視点を持って
子どもと向き合える親になれるよう頑張ろう!
そんな決意表明で
今回はこんな感じ!
amazarashi Live Tour 2022「ロストボーイズ」 (Blu-ray)
(完全生産限定盤) [限定Tシャツ付き]
ps.
良ければ他にもamazarashiの歌の考察記事を
書いているので、ご覧ください。
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