こんばんは!!
考察記事を書きたいなーと思っていたのに、
気付いたらもう次のアルバムが迫っているではありませんか。
そりゃあ、もう前のアルバムが出てから1年半ぐらい?経ってくるから
書くのが遅いと言われればそれまでなんですが。笑
ちなみに、次のアルバム!なかなか奇抜なカラーリングです。
ネオンなカラーと俯瞰視点のような惑星の背景がカッコイイです!
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このメガジャケなんですが、なかなか飾ると様になるので、
結構おすすめです。
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さて、気を取り直して、
今回はamazarashiの「七号線ロストボーイズ」に収録されている曲。
「火種」について紹介・解説・考察の記事になります。
最初に僕がこの曲を聞いた際に感じた第一印象についてですが、
「激しい‼︎」ですね。
曲の感じといい、歌詞の荒々しさといい、
アルバムの一曲目の「感情道路七号線」の
静かに重く迫力がある感じとは打って変わって、
不穏なイントロからの火花が飛び散っているような、
それこそ目に見えるかのごとく激しい様になんだこれ?!
と、驚かされました。
ですが、荒々しい音楽・歌詞の裏には、
葛藤と自身が生きる意味をひたすらに想起する姿は
魅力的に映ります。
それでは歌詞に入っていきましょう。
「火種」 歌詞の解説・考察
詳細な全体の歌詞はこちらからどうぞ!
また、試聴の場合は以下をどうぞ!
背中が透けて見えるぜ 非実在のテレプラズム
半死半生の体躯を 歩かせるのはなんだったっけ?
テレプラズムとはサイコプラズムとも言う、フランスの生理学者が
作り出した造語らしいです。
コトバンクによると、
「霊媒の体から,交霊会の際に放出される正体不明の物質。」
とのこと。
要するに、身体から魂・精神的な部分のみが見えている、
ような状態というところでしょうか。
後の「半死半生」という言葉からも身体から生命的なエネルギーを感じられないまま、
動いているという様子で、生気が少ないということでしょう。
ですが、そんな状態ではありますが、動くだけの源が何かはあるようです。
本人は自覚できていないようですが。
拒絶を繰り返し 傷ついて ふんだくられて
たまらず自分を呪えば 深い闇も連れとなった
拒絶で人を遠ざけ、その過程で自分を傷つけ、弱ったところを狙われて、
奪われてしまったらしいです。
「ふんだくる」ってなかなか聞かないですよね。
乱暴に取り上げる。奪い取る。という意味です。
そりゃあ、日常会話で出てきてたらたまったもんじゃない言葉ですね。笑
周りがいなくなった自分からすると、八つ当たりできるのもまた自分しかいない。
だから、自分を呪ったのでしょう。自暴自棄とも言えるのかな。
ひたすら自分の負の気持ちを自分にぶつけていたら
真っ黒な闇も連れになってしまうかもしれませんね。
「誰のせい」とか 「何処で間違った」とか
決意が廃るぜ 選んだのは僕だ
人のせいにしたり、過去の選択肢を恨んだりしても
今が変わることはありません。
多少現実逃避はできるかもしれませんが、
今を変えていくのは今からの行動次第ということを
わかっているのかもしれません。
自分を奮起させるためにも改めて自身に向き直ろうとしています。
魅力的な歌詞のサビ、クセになる歌い方
現世に惑う 不徳に踊る 泣き叫んだ声なき声
もうこっからの歌詞がカッコ良いのなんの!!!!
独特の歌い方も相まってテンションが上がりまくってしまうのは
僕だけでしょうかね!笑
絶妙に中二病感を感じながらも、中二臭くなりすぎない
言葉のチョイスが、フレーズが、
つい口ずさみたくなってしまうようになっているのは
さすが…の一言に尽きます。
歌詞の中身に触れると、不安定な現実社会に
なんとか対応しながら生きて、
だけど、そんな規範や良いことばかりに殉じていては
自身の心がもたないから不徳(不道徳)にも自身の身を置く。
そんな矛盾に心や体が叫びを上げているのが、
「泣き叫んだ声なき声」に現れているのではないでしょうか。
救うんじゃなく 元に戻すんだ僕が
ここの「救うんじゃなく」が高くなる独特な歌い方で
後の「元に戻すんだ」からがより一層力強く聞こえる流れになっています。
他の誰でもない「僕」が自分自身を、
自分を形作るんだ、ということを
決意しているように見えます。
ねえ これ努努、忘るるなかれ 胸翳る常闇にこそ
きっかけ、引き金 いっそ眩しく世界を焼く
火種はあの日の呪いだ
そして、語りかけるように、また忘れることのない
自分の中の戒言とするかのように、
自身に刻みつけているような表現が
歌詞から伝わってくるような
力強い表現です。
「努努」と書いて、「ゆめゆめ」と読むとは知りませんでした。笑
amazarashiの歌には、いつも発見させられるので新しい曲を知るほどに、
自分の中の知識が深まっていくのが嬉しいですね。
ちなみに、ここでの「ゆめゆめ」は「けっして。」という意味合いでしょう。
言わなくても分かりそうな流れでしょうか。笑
きっかけ、引き金 、とうまく韻を踏みながら、
似た言葉の意味を重ねてくるというこれまた上手い言葉遊びですね。
こんな風に言葉を紡げるようになってみたいものです。
これを聞いた時には「上手いなあ…」と感嘆したものです。笑
いっそ眩しく世界を焼く
火種はあの日の呪いだ
これは僕にはどうもマイナスに捉えている様には聞こえないんですよね。
「世界を焼く」、これが現実的に放火をしてしまおう、
爆弾テロを起こそう、といった意味合いではなく、
自分の中の世界を焼き払って、新しく自分の世界を
作り直そう、それに使う火種はあの日の呪いだ
ということを言っているのではないでしょうか。
僕にはそう思えてならないので、この歌がマイナスに 囚われている様な印象を受けません。
棺桶に片足突っ込んで やらなけりゃやられる覚悟で
一歩ずつに命を賭すが 窮地は僕に微笑んだ
決意を決めて行動を起こそうとするとそれを挫こうとする
なんらかの力が働き、決意を鈍らせる物がやってきている様を
表現しているのでしょうか。
これは周りのからの力なのか、
自分自身が変化をしないように現状維持を保とうとする
負の力なのか、どちらとも言えないですかね。
成就も安心も 夜道つけ狙う盗人
その頃には己の敵は 己の中にしかいない
成し遂げるということも、
落ち着くということも自身の変化を
止めてしまう盗人。
そんな風に考えないとすぐに止まってしまう。
それぐらい現状からの打破を大切に考えているのでしょう。
周りを遠ざけた自分には自分を止めてしまう敵は
もう自分の中にしかいない。
それが分かっているのでしょう。
「僕」が望む在り方
夜店通りに 風の通り道
陽は届かずとも 咲く花を見たのだ
日中の夜店通りを風が通っていったのでふと見た時に
花を見つけた、という場面でしょうか。
ここの風景描写は、日中もしくは時期が違うため、
今は賑わいがない夜店通りを
他人を遠ざけた自分に当て嵌め。
日は届かなくとも、気高く、力強く
命を燃やす花の姿に、
自分がなりたい生きる意志を持って生きる姿を
重ねて見たという表現なのではないでしょうか。
直接的な表現ではなく、風景描写というのが、
詩的・文学的な表現の様で美しく感じます。
現世に惑う 不徳に踊る 君は誰だ? 己に問う
暴くんじゃなく 思い出させるんだ僕が
ねえ これ努努、忘るるなかれ 胸翳る常闇にこそ
きっかけ、引き金 いっそ眩しく世界を焼く
火種はあの日の呪いだ
ここで変わっているのは、
君は誰だ?己に問う
暴くんじゃなく 思い出させるんだ僕が
になっています。
自分を見失うことなく、自分を持って生きるんだ。
暴くんじゃなく、というのは衝動的に作り出す、
見つけ出すんじゃなく、ふつふつと静かに自分の中にしっかりと
根付くもの、根付いているものを大切にし、
自身を、そして自信を形作っていくために、
大切にしていたものを思い出すんだ。
そんなことを歌っているのかなあと思います。
書きながら思いますが、そんな気持ちをいつまでも
忘れたくないものですね。
誰にとっても大切にしたいものかなあと思います。
風が止まった 夕日が沈んだ 闇に潜んだ君の出番だ
世界で一つ 君だけにしか変えられないもの それは君の生き方
徐々に変化が訪れています。
目標となった花を教えてくれた風も去り、
深い闇が連れとなった自分自身が
動き出す時間がやってきた様です。
生き方は誰かがきっかけで変わることはあっても、
それを変えるのは自分だけです。
最後の最後に、自分自身を決定づけるのは自分しかいない。
そんな当たり前だけど、自分自身と向き合わなければ
見失いそうなものを見据えているのでしょう。
開戦前夜 僕ら誓った約束も 黒煙に紛れてもう見えない
照らして 痛みで 君の不幸が役に立つ
あの日自分を呪ったのは君じゃないか
開戦前夜は自分が弱い自分自身に打ち克つと
誓った時のことではないかと思います。
僕らというのは、(今)弱い自分とこれからなろうとする強い自分の
二人を指しているのではないでしょうか。
黒煙に紛れてもう見えない
の歌詞の部分は迷いや諦め、はたまた周りからの目などでしょうか。
余計な不純物が入り、燻って煙を吐き、うまく燃えていないのでしょう。
煙が多いと、視界は悪くなり火種は見えません。
火種というのは自分が自分を変えようと思ったきっかけ。
自分自身を呪ったことです。
だから、痛み・不幸が自分自身を呪うきっかけを
想い起こさせ、火種を見つけることができる。
だからこそ、痛み・不幸が役に立つ、
そう言っているのではないかと思います。
そう捉えると、なんとエネルギッシュな
なんとポジティブな考え方なのかと思ってしまうのは
僕だけでしょうか。
現世に惑う 不徳に踊る 先も見えぬ苦境にこそ
壊すんじゃなく 照らしだすんだ僕が
ねえ これ努努、忘るるなかれ 胸翳る常闇にこそ
きっかけ、引き金 いっそ眩しく世界を焼く
火種はあの日の呪いだ
最後のサビで変わっているのは
先も見えぬ苦境にこそ
壊すんじゃなく 照らしだすんだ僕が
これは先ほどの歌詞とリンクしているでしょう。
自分が変わるのかわからない、克服できるのか先がわからない。
じゃあ、全てを捨てて火種ごと壊してしまおう、ではなく、
火種を見つける灯りをつけよう、もしくは
火種を増やす灯を足そう、そんなことを言っているのかと思います。
決して、自分が自分自身を変えようとしたきっかけ(火種)を
失ってしまうんじゃない。
苦しい時にこそ、あの日自身に感じた呪いを思い出し、
自分を奮起させるんだ!
それを伝えたいのかなーと思います。
そして、秋田ひろむ氏自身も自分に向けて言葉を放っているのかな、
そんな風に感じられます。
解説・考察まとめ
全体を通じて、自分自身の世界を新しく
自分で焼き払って作り換えるための
「火種」の歌なのかなあと思いました。
そして、その火種は昔日の「呪い」でもいいじゃないか。
自分が自分自身に打ち克つための、
自分が生きる気力・意志を持って生きるための、
原動力になるなら
希望であろうと、
たとえ呪いであろうと、
生きる為に供えるものは何だって良い。
だから、みんな懸命に生きようぜ
そんなことを秋田ひろむ氏が言っている様に思えてならないので、
僕はこの歌が大好きなんですよね…
呪いという言葉が本当に指している物は...
だからこそ、「呪い」という負の側面が強い言葉も、
マイナス一辺倒に受け取れなくて、誰か何かにぶつける
呪いなのではなく、
自身に向ける渇望や希望を呪い
という言葉に置き換えているのではないかなと感じました。
そういうことかあ、と新たな見方を発見できた方は
他のページも見てもらえると、僕の生きる「火種」になるので
良ければ他のページもご覧ください。笑
もしかしたら、あなたの「火種」も
もうひとつ増えるかもしれません。笑
今回紹介した歌のライブ映像が入ったBlu-ray
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PS.
全体を書いてきて、呪いというフレーズ的にも、
少し短絡的すぎかもしれませんが、
呪術廻戦をPVに使用したりしても
なかなか合いそうだなと思いました。
また、この記事を書き出す直前に、
乃木坂太郎作「第3のギデオン」を読んでいて、
この作品もPVに合いそうだなあと思いました。
ネタバレにはならないと思うのですが、
こちらの漫画のテーマが(僕が考える)
「家族愛」と「父親」をメインに据えた物語で、
その2つに呪われた登場人物たちが描く
フランス革命の有り様を漫画にしています。
史実とは異なる点もあるようですが、
一つの物語として面白かったです。
全8巻と読みやすく、適度なボリュームなので、
興味が出た方はこちらも良ければ、どうぞ。
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