こんばんは、いよいよ秋に突入してきたかなあと思う今日この頃ですね。
少し朝夕は肌寒くなってきたので、長袖の出番がやってきました。
季節の変化の時期は、次の季節には一体何があるかなあといつもワクワクします。笑
さて、久々の更新は久々の曲紹介になります。
前回までは「BUMP OF CHICKEN」の歌の紹介が多かったですが、数年前から「amazarashi」というアーティストにもハマっています。
あまりメディア露出はしないようですが、最近では、
ちょこちょこアニメのOPやEDと曲をタイアップしていたり、
菅田将暉さんにも楽曲を提供していたりと少しメディアで見かけることが
多くなってきたように感じます。
そんな知る人ぞ知る?アーティストの
今回紹介する曲は「風に流離い」です。
歌詞は下のリンクにあります。
https://www.uta-net.com/song/144480/
こちらの曲は、「ねえママ あなたの言うとおり」というミニアルバム?の
初めの一曲になっています。(また、アルバム名が独特ですよね。)
まず、このアーティストを分かりやすい一言で表すなら、たいていの人が
「暗い」
と感じることが多いかと思います。僕も初めはそう感じていました。
曲調も明るいものは、ほぼなくちょっと独特な陰鬱な雰囲気の持つ音楽も多いです。
しかし、それも聞いているとクセになってくると言いますか、
歌詞との印象も相まってマッチしているなーとよく思えます。
そして、「暗い」と思っていた曲の中にほんの少し暗いところから
明るい方へ向かおうとする意志が垣間見えるのです。
それがたまらず儚げで、ひたむきで、健気で、愛おしい。
そんなように僕は感じるのでこのアーティストに魅力を感じています。
そんなふうに感じるものの一曲がこちらの1曲になります。
最初のところは悪態をつくところから、始まるのですがこれも想像上というか、
頭の中でそんな風に開き直れたらな、と自分の弱さに嫌気を感じています。
夢とか希望とか未来は 今の僕にとっては脅しだ
その類いの漫画 小説 映画 音楽は資源ゴミ
昔は夢もあるにはあった その夢が枕元でほざく
「お前じゃ駄目だこの役立たず 特別と思うなゴミ屑」
これまたなかなかダメージを受けているなーと感じる歌詞になっています。
夢・希望・未来という明るいもの(未来は必ずしも明るいものではないと思いますが。)を
見ることが「僕」にとってはきついことなのだということがよく分かります。
僕はそこまで悲観的な極地にまで至ったことはないのですが、
状況によっては、この「僕」のような気持ちに陥るのもわかる気がします。
夢なんてない 期待してない 無気力のまるで生きてる死体
サビに入っていきますが、自分の惨状を赤裸々に叫んでいるのが分かります。
それでいて韻を踏んでいる歌詞で歌っているととても気持ち良くなります。
これだけ暗い歌詞なのに、気持ち良くなるというのもおかしな話かもしれませんが。笑
だけどわずかに 忸怩たる思い 生きてるプライドは捨てきれない
真ん中にある「忸怩たる思い」これ最初に聞いたときは
何を言っているのか全く分かりませんでした。そもそも読めませんでした。笑
「じくじ」と読みます。自分の行いについてひどく恥ずかしく思うさま、
という意味です。今の夢も希望もなく、
ただ生きているだけというのが恥ずかしいと思うという夢も希望もないけど、
自分自身を捨てれるほど投げ出してはいないというところでしょうか。
遅い夜中に 不意に泣いたり 行ったり来たりのギリギリのサイン
月が夜空に 余裕で浮かび 早く朝よ来いと願うばかり
どうしようもなく悲しくなって、出口が見えなくなってしまっているようです。
2段目の歌詞で「余裕で浮かび」と表現していたり、
その後の「早く朝よ来い」という歌詞からも分かるように、
夜や月というものを嫌悪している様子なことも分かります。嫌悪感を向けるのが、
夜や月といった本来その対象に当たらないはずのものに八つ当たりをしているのが、
この「僕」がどれほど参っているかが分かりますね。
また、夜というのは嫌なことを想像するとなかなか寝付けなかったりすることからも、
早く明るい朝が来てこの嫌な想像を吹き飛ばして欲しい、
転じて自分の現状も明るい道へ進んで行きたいということも
表現しているのではないかなーと思います。
しかし、それはまだ叶いそうにはないようですが...。
次の歌詞では、現状の自分を再分析しているといったところでしょうか。自己分析が良くできている人物だなあと思います。
時給幾ら余命切り売り 残された時間に苛立ち
時に裏切られたりしたよ でもそれが糧になりゃ儲け物
失うものなんて何もない 手にする方が多いくらい
死んだ魚の眼の少年 僕はお前に感謝するぜ
働いているところの描写でしょうか。「残された時間に苛立ち」というのは、
現状生きる元気のない「僕」には、それがまだまだ有り余るほどにたくさんあるので、
苛立ちを感じているのでしょうかね。裏切られたことが糧になりゃ良い。
これは自分を納得させるための強がっている言葉のように聞こえます。
これはその後にも続きます。
失うものがない・手にする方が多い、それ程までに自分は空っぽなのだということを
言っています。
死んだ魚の眼の少年=「僕」ではないでしょうか?なんとか自分を肯定するために、
自分を他者に置き換えて称賛しているように思えてなりません。
この後のサビでは、強がりから少しずつその強がっている部分が剥がれ落ちていきます。自分が頑張っていることを誰かに認めて欲しい、そんな誰しもが思うことを歌っています。
その後から、僕が好きな歌詞がたくさんやってきます。
手を差し伸べてくれた人に 本当に感謝してるんだよ
もう少し取っておくべきだろう 鞄いっぱいのありがとう
やるべき事伝えるべき事 怠けりゃそこで途絶える航路
他人ではなく 面目じゃなく 自分の為に今は歌いたい
上の2行は周りへの感謝、しかし現状それに甘えてしまわぬよう感謝を
表現するのはもう少し待っておこうという律している文章でしょうか。
下の2行は気持ちがどんどん固まっていく部分でとても好きなところです。
他人の目を気にして、体面・建前を気にして、駄目になっていた
自分が自分のために素直に生きようとしている力が生まれてきているのが分かります。
夢なんてない 期待してない 無気力のまるで生きてる死体
だけど確かに 抗う歌に わずかながら空の光は射し
生きる力に 自ずと変わり 死に切れぬ僕の弁明となり
現状を受け止めながらも、それに立ち向かっていこうとする力強さが出てきています。
そして、暗いままではなく明かりが差し込んできて、
自分が生きることの理由はこれだ!と高らかに宣言しています。
高らかにという割には、明るくはありませんが。笑
風に流離い 理解し難い と言われても他に道など無い
風に流離い 理解し難い と言われても他に道など無い
風に流離い 理解し難い と言われても他に道など無い
最後は同じ歌詞を3回繰り返します。
さすらうように生きるのが自分の生き方なのだ、しかし周りの理解は得られない。
最初の2回はその事実を冷静に確認し告げているように聞こえます。
最後の1回は「他に道など無い」に少し感情が乗っているように聞こえます。
周りからの理解が得られないのは、悲しいが自分の生き方はこれなのだ、と
受け止めた哀しみの中に、覚悟を浮かばせるような印象を受けます。
僕には、「他に道など無い」と歯を食いしばりながら、
力強く立つイメージが脳内に浮かびます。
たくさんの弱い部分があるけど、それを受け止め、
強くなろうとする愚直なところが愛おしいですよねー。そう感じませんか!?笑
ふぅー、という事で久々の記事はまたなかなかの長文になってしまいました。この歌には、amazarashiの良いところがたくさん詰まっていると思うので、ぜひ一度ご試聴してもらえたら嬉しいです。
また、別の曲も紹介していこうと思っていますが、いつになるやら...。笑
今回はこの辺で!また次回!