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ウィーン

美術史美術館、膨大な美術品の数々。その美しさと歴史の深さはもはや暴力? ①絵画編 (追記あり)

おはようございます、ドイツに移ったのですが、タイトなドイツのスケジュールでなかなか時間が取れずに充分な更新ができないのが個人的に歯痒さを感じています。移動が多いとなかなか書けないですね。。。笑


あ、記事が少し見づらいという声を頂いたので、記事の表示を最新記事だけ表示するよう1記事だけにしました!僕も自分で少し見づらいなーと思ったのですが、とりあえず記事の更新を優先したいので、サイトの大幅な改変は日本に帰ってからしようと思います。それまではこのスタイルで見ることになるかとは思うのですが、出来れば日々新しい記事を楽しんでいただけるように更新していくので、どうぞご贔屓に。。


と、ちょこちょこと言い訳もほどほどに!今回は4日目に入って行きます!ウィーンでの生活にも慣れ、地下鉄も冷静に乗れるようになりました。ご飯も近くのスーパーで買ったりして良いサイクルが生まれ始めているくらいでした。

この日は、美術館巡りをしようということになっていました。地下鉄の駅の近くに、美術史美術館自然史博物館近代美術館が隣接していました。なので、好きなところから周っていこうという自由なスタイルでこの日は始まりました。

僕は近代美術館から回って行こうかと思ったのですが、入る直前に改めてサイトを見直してみると近代の方は家具などのデザイン?が変わっているものがアートとして扱われているらしく、そういったものにはあまり興味がないなーと思って、美術史美術館に行くことにしました。(これが良い決断だったかはわからないですが笑)

美術史美術館

こちら(の地域)の施設はどんなところも建物から美しいので、それだけでも感心してしまいます。入場料は16ユーロ、音声ガイドは5ユーロでした。ここはきっと時間をかける価値があると思って、音声ガイドも利用してがっつり見る体制を作りました。

日本の美術館からはなかなか考えられない写真OKの美術館でした。

ここだけで写真をなんと400枚近くも撮っていました。記録の意味も兼ねて多くの写真を撮っていたのですが、展示されている数が本当に桁違いでした。最初は観ているものはほとんど写真に撮っていたのですが、多過ぎて収まりきらないのと、記録も大事だけど肉眼で見ることも大事にしようと思って、途中から写真に撮るものを厳選していきました。(それでも400枚近くは撮っているのですが笑)

ここもたくさん紹介しようかと思ったのですが、実物を見て感じてもらうことの方が価値があると思うので、見てきた中で僕がよく印象に残っているものをご紹介していきます。

これは神話の中の一部を描いたもので、女性の前にある黒い大きな影は、女性に関係を迫った雲に変身したゼウスとのことです。ギリシャ神話?上の最高神のゼウスは色んなものに変化するというのは、神話を調べた時に知ったのですが、この絵のような少し不気味な様子の状態にもなるのかあ、と印象を受けました。


続いてが、聖母マリアとキリスト・ヨハネの幼少の時を描いた作品。鮮やかな色合いで戯れている様子を描いた作品なのですが、解説によるとマリア、キリスト、ヨハネは三角形の形になるように配置されている。絵の他の部分にもその要素は使われているとのことだったんですが、どういったところかは忘れてしまいました。笑

このような絵画にも三角形の比率が用いられているとは思わず、美しさは計算されて作られるものなのか、と驚きました。また、芸術と比率という数学的な要素の重なりがあるのが僕にとってはとても興味深いものでした。この理論を転用すれば、美しさは数学的な観点でも解説・分析することができるということになるので、芸術を見る際の新たな視点になるということでとても印象に残っています。

また、絵のメッセージとして、2枚目のヨハネが持つキリストに手渡そうとしている十字架、キリストの右後ろに咲く赤い花は、将来のキリストの死を暗示しているということで、絵の色んなところにメッセージやストーリーが隠されていることも面白かったです。(たしか十字架はキリストの最期の暗示、赤い花は赤から血の暗示の意味合いです)


こちらの絵はキリストを連れて逃亡してきて廃墟で授乳をさせている部分です。解説を聞いていて驚いたのは、」こちらの絵は実際に逃亡をしてきた様子を精彩に描いているわけではない」ということです。というのも、授乳をしているマリアの衣服や髪が逃亡をしてきた割には整い過ぎている、という点です。必死に逃げてきたのなら、もっと乱雑な状態になっているはずなのですが、敢えて綺麗な状態で描くことでその神聖さをより感じられるようにしている、ということに驚きました。一種嘘の状態を描くことで、絵から感じられる効果をより高められるというのは面白かったです。

続いての作品が、こちらが結構印象に残っていて「大天使ミカエルと叛逆天使たち」というタイトルのものです。絵の上部の方に描かれているのが「大天使ミカエル」で下の方が「叛逆天使たち」ですね。「ミカエル」の方の美しく清廉な様子に対しまして、「叛逆天使たち」の苦しみや怖れの表情、指先や頭に生え始めている角などの堕天の様子が双方が双方の印象を強くする拍車をかけているのが興味深く僕は強く印象に残りました。また、大天使である「ミカエル」はこの絵画の中では男性的に描かれているように思います。しかし、顔の描かれ方や肌の感じの美しさ・所作の様子など、女性的な要素を感じるところがあるのも面白いです。聖なる存在の天使、それが完全な生命体であるということで一種雌雄同体を表現しているのではないかと思います。「叛逆天使たち」の方は地獄を表現するような暗雲や赤黒く暗い輝きの様子などから清浄なものから離れていく様が効果的に描かれているなあと思います。対照的なこの2つの要素が1枚に同居しているのが、1枚の絵で2つの要素が楽しめるなあと思います。


続いては、メデューサの最後を描かれた絵。神話やゲームの中などで登場するメデューサが首を切られた凄惨な描写が印象的です。力強いメデューサの眼光と生々しい首から流れ出る血、今にも動き出しそうなツヤのある蛇たちと様々な怖さが滲み出ています。この部屋には、他にも自殺をする絵が展示されていたり、悪魔に憑依されている人を祓う絵など、少しショッキングな絵画が多く展示されていました。美しい絵ばかりでなく、美しくも凄惨な場面を描写した絵画が飾られているのが面白かったです。


こちらは四大大陸とそれぞれの大陸に存在する大きな川を擬人化した絵です。男性の方が大陸、女性が川を擬人化して描かれています。左上の男女がヨーロッパ大陸とドナウ河、その少し手前に黒人の女性と一緒にいるのがアフリカ大陸とナイル川。中央奥にいる男女がアジア大陸とガンジス川(チグリス川とも考えられている)、右上にいるのがアメリカ大陸とアマゾン川と置き換えられて描かれています。(当時はユーラシア大陸とは、捉えられておらずヨーロッパ大陸とアジア大陸に別れていると捉えられていました。また当時はオーストラリア大陸は見つかっていなかった為四大大陸はこの組み合わせで描かれました。)それぞれの大陸の特徴が、人にも反映されて描かれていて面白いです。ですが、アジア大陸の女性は金髪の髪で西洋人のような見た目をしています。これはモデルになる東洋人を作者が知らなかった為?とのことでした。右上のアメリカ大陸の(横を向いている)女性は、その当時1番最近に見つかった大陸だったので発見された期間が若いということで、女性も若く描かれています。それぞれの国の特色や現実の出来事が反映されて絵に表現されているのが面白いですよね!


こちらは様々な花が描かれた絵です。花瓶?壺?の中に溢れてしまうほど花が入っているこちらの絵ですが、矛盾があるそうです。というのも、絵の中にはどんなにしても一緒に花が咲くことはありえない花が一緒に描かれているからです。現実ではありえない状況でも、絵画にしてしまうとそれを実現できるというのは面白いですね。僕は花のことについて詳しくないので、これとこれは一緒に咲くはずがない!とは全然分からないし、絵が写真のようにリアルに描かれているので実物を見ながら描いたんだろうなと思っていました。解説を聞いて、そうではないことがわかり、作者は普通には同時に咲くことはできない花を一緒に見ることができたら綺麗だろうなと思い、現実ではありえないことを絵にしたのかもしれないと思いました。

もう1つこの解説を聞いていて思ったことで、「現実では同時に咲いていることがありえない花がある」とのことだったのですが、今の技術ならそれが実現できるのかなあと思いました。それを実現できてしまうのが絵の再現が出来た!と喜ばしいことなのか、それともヒトの芸術的な発想の美しさや面白さが損なわれてしまうのではないかなあとロマンを考えると何でも実現できてしまうことが必ずしも良いことではないのではないかなあと思いました。


最後にこちら、「バベルの塔」で前半は終わろうかと思います。

こちらの美術館で有名な「バベルの塔」。また、神話やこちらも様々なゲームにも取り入れられたりする「バベルの塔」。神話上では、自分たちの力を過信した人類が自分たちの権威を示すための天にも届くを建造していたところ、それを見ていた神様がその傲りに対し、塔を崩し人々が結託しすぎないために言語を様々に隔てた、という言い伝えもあるそうです(諸説あり)。この絵画にも、神話上の人類のような傲りが表現されており、左前にいる王様が塔の建造を進めるようひたすら家臣に言っている部分があります。ここには、間違いにひたすら突き進んでいってしまう、人間の愚かさの不可逆性が描かれているそうです。また、塔自体もよく見ると少し左側に傾いているように描かれており、塔の建造が成功しないことをすでに表しているとのこと。緻密な絵の中にしっかりとしたメッセージや隠喩があり、解説を聞いていても面白かったですし、様々な作品に出てくるバベルの塔の実物を見れたのは嬉しかったですね。


さてさて、絵画編ということで今回はこちらで以上になりますが、僕がよく印象に残っているものをピックアップしただけで、ここでは上がらないものもたくさん素敵な、興味深い作品の数々に囲まれています。その魅力の一端でもご紹介出来ていれば幸いです。

続きはまた、次回に!

次はさっぱり簡潔に?できたらいくかもしれません笑

追記)

ルーブルの記事に書いてある、植物や火で人を表現したものです。どれも細かい描写で遠目から見ると、ちょっと風体の変わった人に見えるのですが、近くに来ると色々なもので形作られているのがわかって面白いです。

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